社会学的ラブソングアーカイブ

はてなダイアリー終了に伴う「社会学的ラブソング」アーカイブ。

だれの息子でもない

パソ子作業をあれやこれや・・・の心算だったが
結局いつも通りだらんだらんで非生産的な日曜であった。噫。

昨日から「だれの息子でもない」(神林長平講談社文庫)を読んでいた。
今よりちょいと先の話。
各家庭に携帯型対空ミサイル(通称:オーデン改)が配備され
ネット上には利用者の人格を反映させた人工人格(アバター)が作られ
オリジナル(という所の生身にあたる人間)が死んだら
ネット上から消される・・・主人公はそれを消す業務をしながら
オーデン改に関するシステムトラブルの対処をするのである。
で、ある日オーデン改の不正アクセスが発生して調査していると
死んだはずの父親のアバターが”ネットファントム”として現れる・・・
という話。ざっくり言うと。
父やら謎の男やらに振り回されつつ話は進むのだが
終始”自分”とは何か、を突きつけられる。
”ぼく”と思っているものは本当に”ぼく”なのか。
”ぼく”だと思ってたら違う人のアバターなのかもしれない。
SNS上に生身の自分そのものを晒す人もあるけど、普通はそうしない。
プライバシー隠しでもキラキラ演出でも、生身とは違う自分がいる。
その自分は生身から制御出来てると思っているが、果たしてそうなのか。
物語の世界ではアバターはオリジナルのバックアップ・記録だが
そのアバターがオリジナルを侵食していくとしたら?
オリジナルのないアバターがいたらどうなる?
じゃあ消しちゃえって、それでいいのだろうか?
少なくともアバターが制御出来なくなるのって怖いな。
自分が知らない間に他の何者かが勝手に酒飲んだりやらかしたりして
その後始末はしなきゃいけないっていう。

とか何とか言いつつ、オーデン改ぶっ放したかったんだろうなー、
みんな。
とどのつまり。

しかし「だれの息子でもない」の作中世界だと
人間関係のリセットも難しそうだ。
今だったらSNSのアカウント消して、また作り直したらいいけど
どうするんだろうね。
各アカウントは消せないもの、として存在しているのだろうか。

どうでもいいニュース:
読書メーター」の類、それ以外での本の感想探すのって
めんどくさくなったなー。
本のタイトル入れてググっても本売ってるサイトと読書メーターの類
以外って上の方に出てこない。
探し方が悪いのか。でもめんどくさいやん。