社会学的ラブソングアーカイブ

はてなダイアリー終了に伴う「社会学的ラブソング」アーカイブ。

ムジカ・マキーナ

12月ももう半ば、というタイミングでどえらいもん読んじゃった。
「ムジカ・マキーナ」(高野史緒ハヤカワ文庫JA)である。
若干ネタバレあるかも。



1870年のヨーロッパを舞台に、音楽機械と音楽を絶対的な快楽に変える麻薬を
巡る物語である。
って何やねん?という話であるが、音楽SFという事でクラシック的な話
かと思えばDJ・クラブといった最近っぽい要素も出てくる。
それこそクリムゾン、ツェッペリンも少々。
途中で名前(というか呼び名)がころころ変わるんでちょっと戸惑うが(ワシだけか)
整ってるようで破天荒な所もあって面白かった。
音楽を絶対的快楽に・・・ってなんかいいなぁと思わないでもなかったけど
やっぱり厭だ。
その対価は惨たらしく払わされる訳で。
そりゃ神経病む人も出てくるわな。
ベルンシュタインが最後まで何か企んでるのかと思った。
プレジャードーム周辺の人らはああなるだろうとは思ってたけど意外とあっさりで
黒幕はさて?と思ったら、あのおっさんかいな。
理想の音楽、というものは音楽に携わる人はみな追い求めているんだろうなぁ。
1800年代の人も、現代人も。
ラスト、実際に聴けたら美しいだろうなぁ。
機械だけじゃなく、ブルックナーとの対決(セッションと言えなくもないな)
だからこそ、尚更美しかっただろう。
誰にも実現出来ないと思うが。
そのうち映像化されたりしてな。それはそれでがっかりしそうな。

どうでもいいがあまぞんの作品紹介の片方に「人々を恐怖に陥れる音楽機械」って
あるけど、そうだったの?
仕組みの一部は見たら恐怖すると思うのだが、そういうこと?