社会学的ラブソングアーカイブ

はてなダイアリー終了に伴う「社会学的ラブソング」アーカイブ。

映画「精神」

昨日、「精神」というドキュメンタリ映画を見てきた。
奇しくも先日亡くなった友達が観たい、観られる人は観て欲しいと
言っていた映画だ。
内容はというと、岡山の小さな病院・施設に来る患者さんと
お医者さん・スタッフさんの日々を淡々と撮影したもの。
時折、患者さんがいつ、どのような経緯で精神を病んだのか
語る姿も映されている。
幻聴について、どんな風に声が聞こえるのか、とか。
冷静だけど、少し温かい目線。
デジタルだったのでちょっと目が疲れたけれど^^;
観客は結構年配の人が多かった。意外。


勉強を頑張り過ぎて、許容量を越えてしまった人。
親や夫との関係から追い詰められてしまった人。
人から嫌われてしまった・・・と泣く人。
精神を病む、というのは人との関係性に起因するのかもしれない。


特にストーリーというものはなく、良くも悪くも取りとめなく続く。
ショートステイする人の姿が映るかと思えば
食堂のご飯を作ったり、牛乳を配達したりと作業に励む人。
薬を1回分ずつ包んでいる人も、摂食障害と闘っている。
自分でご飯作って暮らしていけるよう、ヘルパーさんに作り方を
教えて貰う人。
自立支援法改正は、こういう施設でも影響している。
只でさえ収支とんとんなのに、”支援”がなければやっていけない。
生活保護を受けながら、子供を施設に預けて頑張るお母さん。
生活保護はなかなか下りないのだそうだ。
薬代も莫迦にならない・・・そもそも薬の量が半端じゃない。
(ベ○タミン初めて見た・・・なんつー色してんだ。)
色々問題があるのだ、と改めて気づかされた。


偏見についても、少し。
ある人が監督さんに何故撮影するのか?と尋ねた時
健常者と患者の間の見えないカーテンを外したい・・・というような
話をされていた。(少しニュアンス違うかも、だけど。)
その人(患者さん)は自分が自分を見た時の偏見を外す努力をしてきて
今は気にならなくなった、というような話をされていた。
なるほど、と思ったのだけどちょっとここら辺の記憶が曖昧で
話が出来ないのが残念。。。(なら書くなよ)
患者さん達を見ていると、厭な言い方だけどほんとに普通の人達、
「優しいとは人を憂うと書く」と仰る方もあって*1
感受性が豊かなんだな、と思った。
その一方で手続きをしようとして怒り口調で延々と電話する人も
映されていた。
訳わからんこと言うおっさんやなー、と思ったけれど
彼なりに不安で、真剣に話していらっしゃるんだろうと思う。
でも上手く伝わらない。余計いらいらして次から次から言うて
余計訳わからん事になって伝わらない・・・の繰り返し。
少しずつ”ずれていく”→訳がわからない→怖い、と偏見になって
いくのだろうか。
そういう人ばっかりじゃないんだけどねぇ・・・。
うつだって偏見多いけれど、十人十色だよ。
他の病気だってそうだ。
だけど、内臓が悪いとか見た目に解りやすいものではないから
余計に当事者以外には謎めいて解りにくくて不安がられて
偏見持たれやすいのかな。。。


色々、色々、考えさせられる映画でした。
ただ・・・明確なストーリー、というか流れが無いからか
観るのは少ししんどいかも。
疲れてしまって、ティーチインがあったのだけど参加せずに帰宅。

*1:めっちゃ詩人な方でした