社会学的ラブソングアーカイブ

はてなダイアリー終了に伴う「社会学的ラブソング」アーカイブ。

64(ロクヨン)

そういえば昔は”だばだば読み”してた気がする。
文章を丹念に追うのではなく、だばーっと雰囲気で読む。
久しくそういう読み方してなかったなぁ、と。
模倣犯」の途中からもそうだったし、「シャングリ・ラ」辺りから
取り戻してきたような感じ。
なんで暫くやってなかったんだろう。
因みに凄く早く読めるけど、脳みそ弱くなってきたからか
出戻り(これ誰だっけ、なんでそうなったんだっけ)が多い^^;

「64(ロクヨン)」(上)(下)(横山秀夫/文春文庫)も
そんな感じでだばだば読んでいた。
丹念に読むと次々に塞がっていく三上が辛くて辛くて。
あと展開が気になって仕方なかったので、そうなった。
登場人物が多いし、それぞれがそれぞれの思惑で動いているので
ややこしいのである。
でーも面白いので勿体無い位の勢いで一気に読んでしまった。
ロクヨン」という符丁で呼ばれる事件の謎を追っていく、
というより「ロクヨン」に絡めてD県警内・対マスコミの駆け引きを
描いている、という感じか。
なので”犯人探し”を期待すると、すっきりしないかもしれない。
自分の立場・出世が大事なんだなぁ、みんな。
警察の人間というものがそうなのか、男つうのがそういうものなのか、
そもそも人間自体がそうなってしまうものなのか。
そんなにややこしく考えなくてええやん、と思うのだけど。
何でそんな風にややこしくしちゃうんだろうねぇ。
「どの立場に居たいか、守りたいか」より「どうあるべきか」こそが
大事なんじゃないかねぇ。
無理なんだねぇ。

色々謎はあるけど、はっきり解決されない所がある。
ハッピーエンドというか、良い決着となっていればよいが。

ドラマは一応観てたのだけど、後半だけお風呂上りに見るという感じで
ピエール瀧渋い」「大友さんの音楽かっこいい」程度だったので
改めて「こんな深い話だったんだ!」と驚いたのであった。
ドラマ・映画は大分変わってたんだろうか。
これだけの物語が収まりきらなかったんではないか、と。