社会学的ラブソングアーカイブ

はてなダイアリー終了に伴う「社会学的ラブソング」アーカイブ。

グッドラック 戦闘妖精・雪風

マツが台湾帰りに湊かなえの「贖罪」読んでどんよりしたそうだが
そりゃあそうだろう。
湊さん、人の心の厭ーなところ書くのを得意としてる作家だもんなぁ。
「贖罪」「告白」しか読んでないが、他の作品の粗筋だけでも
十分どんよりできるよ!
そもそも湊さんに限らず誰がどうというのもなく
善と悪がすっぱりしてる物語の方が少ないんじゃないかねぇ。
主人公が敵と戦いましたー苦闘の末戦いましたー勝ちましたーおしまい!
はースッキリ!って方がレアなような。
何かしらすっきりしない所がある。どんよりだってする。

「グッドラック 戦闘妖精・雪風」(神林長平ハヤカワ文庫JA)読了。
零と雪風の関係が少しずつ変わってきた。
人間とコンピュータも、そしてジャムとも。
関わる人間も立場も増えた。
面白いし、どうなるのか気になるけれど、読んでてきつかった。
誰が信じられるのか、誰がジャムなのか分からない。
ジャムじゃなくても信用出来るかどうか分からない。
んで、ここまで戦っても外側から見たら零・雪風が反旗を翻したようにも
見えるのでは、と。
最終的にそういうラストになるんじゃなかろうか。
だから落ち着かないんである。
もっと意表を突くラストになるとは思うのだが、すっきりはしなさそう。
矢頭も切ないわぁ。
もし零や桂城、雪風と出会えて・・・接触出来てたら悩まずに済んだのでは
ないか。

ほんとうに、ジャムとは何なんだろう。
全く在り方の違う存在なのだろうか。
それとも、人間・コンピュータが鏡と向き合った時に見ているモノなのか。
「われは、われである」とはどういう事か。

SFというとテクノロジー・サイエンスの要素が強いけれど
突き詰めると”脳””存在””人間”とは、というテーマに行き当たるのだな、
と。

あああ続き読むん怖い、でも気になるう。