文藝春秋、バイト時代によく買ってました。
オトン用に。
それをたまに読ませてもらってた。
それ以降もちょいちょい買ってたんじゃないだろうか。
「蹴りたい背中」「蛇にピアス」の時に借りて読んだ記憶が。
で、今も昔もミーハーなんで久し振りに買った。
又吉の「火花」も羽田さんの「スクラップ・ヘブン」も
気になっていたので。
まず「火花」。
前半くどいわーと思いつつ読んでいたが後半すごく面白くなってきた。
まーさかこの人の小説読んでうるっとするとは思ってなかった。
なーのにそのオチは無い、うるうるを返せ!
とはいえ「そのオチは無い」は悪い意味ではない。
えらくあっさりしてるけど、コテコテだったり安易に死人が出たり
しなくてよかった。
個人的には先輩と主人公のメールの最後のアレ、誰かとのメールで
やり合いたい気がする。
島田雅彦が「楽屋落ちは一回しか使えない」と評しておられたけれど
こういう自意識高そうなわけわからん人というのはお笑い業界にしろ
芸能界全体にしろ沢山いると思うので
どんどんそういう人達を書いてしまえばいいと思う。
芸能事務所の人や番組・ライブ制作スタッフにも物語があるだろう。
このシリーズ(?)の他の話が読みたい。
「スクラップ・ヘブン」はああーっと思いながら読んだ。
じーちゃんにあれやこれややるっていうのは
結局自分に返ってくる、ということなのだろうか。
こちらも若干くどい、というかそれ書かんかってもええやん、
てな箇所があったような気が。
何かの象徴、老いとの対比という意味があるんだろうとは
思ったのだが、そうでもないようにも見えた。
若干くどいと言いつつ、「火花」よりスムーズな感じなのは
さすがだなぁ、と思った。
他の作品を読んでみたい気がする。
どちらも、あんまり物語がはっきりしなくてしっかりオチなくても
いいんだなー、と思った。
それと作品よりインタビュー・選評の方が面白かった^^;
すごく「どんなんやねん」と読みたくなる選評だった。
(書評欄の鼎談のやつより、読む気をそそる。)
川上弘美さんはとことん川上ワールドな選評。
そしてこの「文藝春秋」で一番面白かったのが
平岩弓枝さんと阿川佐和子さんの対談っていう。
「昭和の男は怖くて優しかった」という対談だけど
結局の所お二人の強さの源がそれだったのか、と。
金田一秀穂氏が匿名で書き込んだネットって某所だったら笑う。
どっかにひっそりまとめられてたりしてな。。。