社会学的ラブソングアーカイブ

はてなダイアリー終了に伴う「社会学的ラブソング」アーカイブ。

虐殺器官

伊藤計劃の「虐殺器官」を読んだ。
えげつないけど面白い。
読み始めると続きが気になって、つるつるーっと読んでしまった。
読書感想文に悩む高校生はこれ読んだらいいと思う。
重厚なのに読み易いし考える事も心に引っかかるポイントもあるので。

無意識につるーっとネタバレしてそうなので、これから読むかもな人は
以降ご覧にならない方がいいと思う。





粗筋ははてなキーワード読んだらいいと思う(投げやりな)。
こんなに続きが気になって、うっかり10ページくらい先を捲って
しまいたくなるのも、
それじゃいかん!と言いつつ解説読んでしまったのも久し振りならば
同じ作者の他の作品も読みたい!と強く思うのも久し振り。
(なのでこれから「ハーモニー」読みます。
 そのまま円城塔も読むよきっと!)
兎に角、「次どうなるの?」「何が明らかになるの?」と気になって
読み出したら止まらなくなった。
エピローグはえ?と思ってしまったが、それもひとつの結論なんだな。
「虐殺の言語」が云々、という話で「虐殺」という言葉の概念からし
違うのかと思っていたがそうではなく。
それが何なのかもっと触れて欲しいという評価もあるそうだが
触れなくていい、この位でいいと思った。
触れて万が一実行されたら怖い。
そう思う位生々しかった。
かといって描写が生々しすぎる事も無く。
流石に読了直後に食べたのがトマトパスタ、晩御飯がハンバーグ、
チキンは流石に食ってねぇと思ったが読み始める前に食べた、
つうのはやめときゃよかったと思ったが。

ハリウッドと映像化交渉が・・・という話があるそうですが
無理だろうなぁ、と思う。
エピローグ削られそうな気がしたし、細かいところも欠落してそう。
その削られそう、欠落してそうと思った部分が日本人の書く作品
なのかなー、と思った。

あと伊藤氏がもしご存命であれば、今どんな作品を書かれるのだろう?
と思った。
それは純粋に伊藤氏がどんな作品を書き続けていかれるのか、
という意味でも気になるけれど
東日本大震災がどんな影響を与えたのだろうか、という意味でも。