26日にやっと「虚無への供物」(中井英夫/講談社文庫)を読み切った。
ミステリには詳しくないけど、興味持ったらぶち当たる作品である。
これ読めたら「ドグラ・マグラ」「黒死館殺人事件」読むんだ・・・。
なんとなくネタバレしちゃいかねないので、今後読むかもしれない方は
ごめんなさいです。
筋書きは普通にミステリでした。
読んでいて登場人物の謎解きと混然としてくるとかなにそのファンタジー的
オチは!とかそういう感じを想像していた。
(その辺は恩田陸の方が凄まじいよな。。。)
しかし狂っている。色々と。
殺害方法も動機も謎解きのプロセスも作中小説も何もかも。
何よりおかしいのは身近に人が亡くなっているのに大はしゃぎで
他人事どころか面白がっている事だ。
犯人が殺す前に密室作って殺人事件を・・・とか。
事件が起こるように仕向けていくとか。
そんな動機かい!と思ったが、謎解き合戦はもっとツッコミたかった。
でもよく考えたらミステリ小説読んで犯人推理してトリックツッコむ読者や
2時間ドラマ観てあーだこーだ言ったりする視聴者と同じなんだよね、
久生達は。
面白がってるって一体・・・という読者もあまり変わらない。
「まだ1時間やろ、もう一人死ぬで」「あー出たよ階段落ち」とか言ってるのと
コンガラ童子が云々、というのと何処に違いがあるのか。
考えたら恐ろしいよな。
どんだけ京都で人死んでるねん、ていう。
どんだけ小学生や高校生が殺人事件に遭遇してんねん、ていう。
どんだけ警視庁から電車乗って各地行ってんねん、ていう。
しかも嫁や娘まで探偵よろしく嬉々として謎解きやってるっていう。
アンチ・ミステリとはそういう意味だったのか、と最後にしみじみ思う。
因みに「新装版」として新刊のとこにあったので出てほやほやと思って
買ったけれど、2004年に出てたのね・・・
帯のコメントが京極夏彦っていう。
今回は講談社文庫のキャンペーンの一環で店先に出てたらしい。
ムーミンのやつのポイント貯められたけど、京極夏彦の帯が欲しかった。