社会学的ラブソングアーカイブ

はてなダイアリー終了に伴う「社会学的ラブソング」アーカイブ。

豆腐小僧!

豆腐小僧双六道中ふりだし」(京極夏彦/角川文庫)
やっと読みました。
何年かかったんだ・・・。
ひょっこり現れた豆腐小僧が自らの存在理由を探して旅に出る。
出るというか出ちゃうというか。
お豆腐を手放すとどうなるのか。
脱力系の豆腐小僧ちゃんが可愛くて仕方が無い。妖怪で一番好きだ!
余程”消える”のが怖いのだな。
行く先々で色々な妖怪に出会って、色々な目に遭って
色々な事を知ってゆく姿がまた良い。
妖怪の成り立ち、というものも説明されておりまして
これは妖怪の皆さん、特に達磨さんが解り易く話してくれるので
読んでる方も一緒に知ってゆくことが出来る・・・多分。
わりと社会学や哲学に近い部分もあるんじゃないかと思う。
これから社会学部に行く不幸な奴幸せ者は読んだらよいと思うよ。
楽しくてちょっとだけ賢くなれる物語であります。
ちゃんと豆腐小僧ちゃんも活躍するんだよー。
読んでいて「よく頑張ったァ豆腐小僧!」って言いそうになった。
めっちゃいい子やねん。
講談で聴いてみたい。
狂言にはなってるんだっけな。
映画「豆富小僧」はどうなるんだろうな。楽しみだ。


妖怪というと夏休みに読んだ「○年の科学」の水木しげるの絵の
おどろおどろしくて怖いやつで出会った。
ほんと、住んでる地域に恐ろしい奴おらんで良かったって思った。
その頃の自分が今の自分知ったら、びつくりすると思う。
その水木氏の展覧会4回行ってるし。
うち「大水木展」が3回・・・何回観てるねんな。
何でそんな怖いのん観に行くんだ、って言うに違いない。
そうは言っても小学生の頃から怖い話の類は読んでいたし
「あなたの知らない世界」をちらちら観てた。
多分”怪異””不思議な話”が好きなんだろうな、今も昔も。
豆腐小僧〜」には”怪異”自体じゃなくてその成り立ちが出てくる
訳ですが。
妖怪が存在出来るだけの心の余裕は持っていたいなー、と思う。
家がギシギシ揺れたとして「やや、微弱地震・・・大地震の前触れ?」
と思うよりは
「やや、家鳴りさん頑張っとるやないか」
と思う方が楽しいやん。楽しくないか。
それに、現代社会にも妖怪いますよね。
トイレの花子さん、はちょっと違うのか。どうなんだろ。
永田町に行けば魑魅魍魎・・・魑魅と魍魎は別なんですよね、確か。
邪魅はうようよしてそうだ。どんより。
ウチにはフジノート隠した奴おるしな。
・・・すみません、これは自業自得です。探しますです。
名前は無いけれど、妖怪的な存在というのは居るんじゃないかねぇ。
そんな感じで想像力豊かに暮らす秘訣なのかもしれない、妖怪って。
江戸時代に黄表紙などで妖怪が図録化された、というのは
それだけ想像力が豊かな人が多くて、文化が発達していた証拠かも
しれません。